電子メールを利用してネットにある銀行やクレジットカード会社の偽ホームページに誘い込み、クレジットカード情報や暗証番号などを入力させて盗む手口です。
今はネットショップが無数にありますが、クレジットカード番号だけで利用できるセキュリティの甘いネットショップで悪用するのです。
セキュリティの認識が高いネットショップではクレジットカードの裏にあるセキュリティコード(カード裏面の3、4ケタの数字)を求めますが、売り上げを逃さないため簡単に利用できるようにしているネットショップも多いのです。
以前は「なりすまし」と呼ばれるクレジットカード本体を盗んでカード会員になりすまして悪用する犯罪が主流でした。
クレジットカード1枚あたり500万円悪用されたと言われています。
当然クレジットカード会社の利益を圧迫する犯罪だったので、その後クレジットカード会社の徹底した対策により、なりすましでの犯罪は激減しました。
具体的な対策として、当時10万以下はオーソリゼーションが不要でしたが、クレジット端末機を普及させて、今ではほぼ全件オーソリゼーションが行われています。
オーソリゼーションとは、利用されたカードが正常に使用できるかどうかをクレジットカード会社に確認することです。
カードの利用可能枠(利用限度額)をオーバーしていたり、支払い遅延があったりするほか、盗難などで無効となっているとオーソリゼーションのより、カード利用が却下されます。
また、昔は時間制限があったオーソリゼーションも今は24時間体制で行われているので、不正が行われやすい夜中でも対応できるようになっています。
クレジット端末機はクレジットカード会社とオンラインでつながっているので、もし盗難に遭っても、すぐにカード会社に届け出さえしていればクレジットカードは無効となり誰も利用できなくなります。
スキミングと呼ばれているカード犯罪は現在でも被害が大きい犯罪です。
これはスキマーと呼ばれる器械でクレジットカードの磁気ストライプに保存されているクレジットカード情報を盗む手口です。
盗んだ情報で偽造カード(コピーカード)を作り、不正利用します。この場合、悪用されているクレジットカード情報とカード券面(カード表面)に記載されている情報は異なります。
つまりカード本体ではなくカード情報だけ盗んで、まったく別のクレジットカードに内部情報だけを移し替えるという手段で、そのために加盟店側は不正利用された際にも気づかないことが多いのです。
フィッシング詐欺と呼ばれている犯罪は現在最も被害金額が大きいカード犯罪です。
電子メールを利用してネットにある銀行やクレジットカード会社の偽ホームページに誘い込み、クレジットカード情報や暗証番号などを入力させて盗む手口です。
今はネットショップが無数にありますが、クレジットカード番号だけで利用できるセキュリティの甘いネットショップで悪用するのです。
セキュリティの認識が高いネットショップではクレジットカードの裏にあるセキュリティコード(カード裏面の3、4ケタの数字)を求めますが、売り上げを逃さないため簡単に利用できるようにしているネットショップも多いのです。
クレジットカードにはカード盗難保険が自動的に付帯されています。
ほとんどのクレジットカード犯罪で悪用されても、被害金額は保険会社とクレジットカード会社で全額補てんするため、カード会員が負担することはありません。
ただし、クレジットカード会員側に非があるとされてカード盗難保険が適用されないケースがあります。カード盗難保険の適用外にならないためにも、以下の3つの点を注意しましょう。
クレジットカードが郵送されて来たらすぐにカード裏面にサインをしましょう。
このサインとカード利用伝票へのサインが一致することでカード会員であることを確認するので重要です。
暗証番号は第三者に推測されないようなものにすることです。
キャッシングは暗証番号の管理をしっかりしていれば悪用されることはありません。
そのためキャッシングの不正使用にはカード盗難保険は適用されません。
カード会員の暗証番号の管理が悪いと判断されるからです。
カード盗難保険には補償期間が決められています。
紛失や盗難に気づいてクレジットカード会社に届けた日の60日前から補償されます。
つまり、届け出が遅れるほど保険適用外になり被害を受ける可能性が高くなるので、カード紛失の届け出はスピードが大事です。
上記の点に注意さえすればクレジットカードを悪用されたとしても、保険が適用されクレジットカード会員に請求されることはありません。
注意点もそれほど難しいことではないのでよく頭に入れておきましょう。
クレジットカードにはカード盗難保険以外にも保険や補償サービスがあります。
例えば三井住友VISAカードが発行するクレジットカードのなかには、クレジットカードの裏面にカード会員の顔写真のある写真付きカードを発行できるカードがあります。
カードの保有者本人の顔写真がカードに入るので、加盟店でも使っている人がカード会員かどうかはすぐにわかり、なりすましによる不正利用を防止するのに役立ちます。
また最近増えているネットショッピングやネット通販、モバイルショッピングでの不正利用に対応したサービスもあります。カード盗難保険とは別の補償で、いわばネットショッピング専用の補償制度です。
制度の名称はクレジットカード会社によって違いますが、大手のクレジットカード会社にはほとんどこのサービスが付帯されています。
クレジットカード本体の悪用は気づきやすいですが、クレジットカード情報、特にクレジットカード番号だけを盗む手口の犯罪では請求されるまで気がつきません。こうした不安を解消してくれるサービスは不可欠と言えるでしょう。
クレジットカード会社ではどんなセキュリティ対策でカード会員の安全を守っているのでしょうか?
24時間体制でオーソリゼーションをすることは今では常識となっていますが、オーソリゼーションを行う部署(クレジットカード会社によって名称が違うので仮にオーソリセンターとします)では別のセキュリティ対策も行われています。
これは不正カード検知システムと呼ばれているものです。
オーソリセンターではカード会員全員のカード利用歴をリアルタイムでチェックしています。カード利用はほぼ全件オーソリゼーションが行われるので、そのデータを分析するシステムがあるのです。
このシステムで普段の利用と違った使い方をしたり、高額のショッピングがあったりした場合警告が出ます。
これに基づいて担当者がカード会員に連絡をし、実際にカード会員が利用したかどうかを確認するのです。
普段ほとんど使っていないクレジットカードで急に高額の買い物をすると、クレジットカード会社から連絡が来ることがあります。これはカード会員を守るために行っていることなので、煩わしいと思わずに事実を伝えましょう。
もし自分で使っていない場合は、そのまま気づかずに高額な請求が来てからびっくりすることになります。それを未然に防いでくれているのです。
スキミングの防止対策としてはICチップを搭載したICカードが最も効果があります。
スキミングは磁気情報しか盗むことができません。
ICチップに情報が登録されていれば第三者が情報を盗み出すことは不可能となります。
実際海外ではクレジットカードのICカード化が進んでいてスキミングの防止に役立っています。日本でもICカード自体は普及していますが、いまだに磁気ストライプと併用されているカードが多いのです。
これは加盟店のクレジット端末機に問題があります。
ICチップを読み取るには専用のクレジット端末機が必要です。
つまりICカードを普及させるには加盟店もそれに対応した端末機に入れ替える必要があります。しかし、これにはコストがかかるので、今のままでそれほど不便がない加盟店にとっては入れ替えの必要性を感じないのが現状です。そのためせっかくICチップを搭載していても結局磁気ストライプを使ってクレジットカード決済をしています。
ICカードではショッピング利用も暗証番号使います。サインは偽造がされやすいので暗証番号が必須になれば、実店舗での不正利用はほとんど不可能になります。
こうしたメリットも、今のところ加盟店側の意識を変えるか、クレジットカード会社の思い切った対策を待つほかないようです。
クレジットカードそのもののセキュリティというよりはセキュリティに対するクレジットカード会社の姿勢が大事です。
そのため、カード犯罪に対して多くの経験を持っている大手のクレジットカード会社が発行するクレジットカードであれば、より安心して利用できるといえます。
大手クレジットカード会社以外はセキュリティに不安があるという意味ではなく、クレジットカードに不安がある人は大手の一般カードやクラシックカードからスタートすれば安心して利用でき、クレジットカードの安全性をより理解しやすいということです。
初めてのクレジットカードは三井住友カードやJCB一般カード、MUFGカード・ゴールドといった銀行系のスタンダードカードから作ってみるのがおすすめです。
もちろんVISA、マスタカードなどの国際ブランドによる違いは特にありません。
カードの利用目的によってクレジットカードを選ぶことも必要です。例えばネットショッピングの利用をメインにする場合は、ネットの不正利用に対応した補償のある楽天カードを選ぶといったやり方です。
カードに付帯されている各種の保険や補償サービスは無料ですが、実質的には年会費でまかなわれています。
しかし年会費無料クレジットカードだからといって安全性を高めるサービスに関しては縮小されたり、付帯されなかったりということはありません。
年会費無料カードも安心して申込することができます。
年会費無料カード、一般カードはもちろん、ゴールドカード、プラチナカード、ブラックカードといったプレミアムカードでも基本的な安全性の面では同じレベルです。
大きく違うのは付加価値的なサービスの質であり、決して安全の質が違うのではありません。
カード利用者に安全を提供するのはどのカードも同じなのです。
クレジットカードを選ぶときはポイント還元といったサービスに目が行きがちですが、安全性にも注意してみましょう。
現金とクレジットカードを比較してみると、現金が紛失・盗難となった場合ほとんど戻ってくることはないでしょう。
クレジットカードは高額なショッピングができるという点では現金と同じ価値がありますが、紛失・盗難の場合でも保険が適用されれば、カード会員に実質的な被害はありません。
これだけを考えてもクレジットカード払いは現金払いより安全だといえます。
クレジットカード会社にとっても、カード犯罪の被害は利益が圧迫される悩みの種です。また、セキュリティー面でのマイナスイメージは、クレジットカード会社への信頼も失うことになってしまいます。
そのためあらゆる安全対策を行い、カード会員に負担のかからない補償サービスの提供も行っています。
クレジットカードのセキュリティに関して不安を持っていた人でも、クレジットカードが安全だということをわかってもらえたのではないでしょうか。