審査に通らない理由は○○だった!読めばわかるクレジットカード審査通過のコツ
審査基準はクレジットカードによってそれぞれ違うので、「○○であれば必ず審査を通過する」といった裏技のようなものはありません。
またクレジットカードの審査に落ちてしまった場合は、クレジットカード会社に問い合わせをしても却下理由は具体的には答えてくれません。
クレジットカード審査で落ちた場合、その却下理由をはっきりさせて原因を取り除いてから再度申込をしないと、何度も審査で落ちることになります。
却下理由は推測するしかありませんが、今回は審査に通らない理由を解説しますので、クレジットカード申し込みの参考にしてください。
クレジットカード会社がカード会員にしたい人
クレジットカード審査の却下理由を考える前に、どんな人をクレジットカード会社は会員にしたいと思っているかを考えてみると、却下理由の推測に役立つでしょう。
クレジットカード会社は富裕層が好き?
もちろん経済的に余裕がある富裕層はクレジットカード会社にとってもカード会員にしたい客層のひとつです。収入が安定しているという点から考えると富裕層が最も安心できるカード会員となります。
ほとんど支払い遅延のリスクもなく利用金額も平均より高くなるので利益率も上がります。
しかし、富裕層が分割払いやリボ払いを利用するとは思えません。高額利用によって手数料収入は高くなりますが、継続的な手数料収入はあまり見込めません。
クレジットカード会社は少額でも継続的な利用が好き?
クレジットカード会社の主な収入源は会員手数料と加盟店手数料です。加盟店手数料は高額の利用ほど大きな収入になり、確実な利益となります。
会員手数料とは、クレジットカード分割払い時に発生する手数料のことですが、1回払い・2回払いの場合は発生しないので、3回以上の分割払いやリボ払いの時だけの収入です。また、未払いが続いて最終的に貸し倒れになると利益に結び付かないというリスクもあります。
いずれにせよ一長一短はありますが、クレジットカード会社としては会員手数料と加盟店手数料のバランスが良い収入が最もいいということになります。
つまり1回払いの多い富裕層も、リボ払いの利用が多い若年層もカード会員として必要なのです。
クレジットカード会社が審査で最も重要としていること
「審査の3C」という言葉があります。
審査の基本となる三つの要素のことで、Capacity(返済能力)、Character(返済意思)、Capital(資産)を指しますが、最後の資産はクレジットカード審査では資産調査をしていないので、ほとんど考慮されません。
つまり返済能力と返済意思(支払観念。借りたお金を返済する意思のこと)が重要ということになりますが、問題はこれらをどうやって判断するかということになります。
Capacity(返済能力)
クレジットカード申込書記載の年収、勤務先、勤続年数から判断。個人信用情報機関の情報も判断材料となる。
Character(返済意思)
自社での過去の利用実績、個人信用情報機関での他社の利用実績を判断材料にする。
クレジットカード審査では申込書記載内容と個人信用情報機関の情報、自社の過去データ(社内情報)を総合判断して審査結果を導き出します。
【審査で却下される理由1】最も却下率が高いのは過去の支払い延滞
クレジット系の個人信用情報機関(個人のクレジットヒストリーを保管している機関)であるCIC(シー・アイ・シー)では、毎月加盟各社から会員情報を取得して、審査で参照できるようデータを提供しています。
取得する会員データは正常利用情報、延滞情報に関わらず支払いに関する全情報となります。
過去に遡り24ヵ月間は毎月の入金状況が参照でき、正常に支払われたときは$マークが表示されます。
未払いはAマーク、一部入金はPマーク表示になり、照会した人物の支払い状況が一目でわかります。
この入金状況とは別にCICには「異動情報」という情報が存在しています。異動情報には延滞、代位弁済、自己破産情報があります。
延滞
61日以上または3か月以上の延滞。
代位弁済
銀行融資に保証会社が付いている場合、未払いが続くと保証会社が全額を立て替えて支払います。
これが代位弁済で、融資利用者はこれ以降保証会社に支払うことになります。
自己破産
裁判所による自己破産確定の情報。官報に記載されている。
この異動情報はネガティブ情報(ネガ情報)や事故情報とも呼ばれていて、自己破産情報の10年を除いて5年間データが保管されます。このデータが保有されている期間はクレジットカードの申し込みをしても却下される可能性が高くなります。
ネガ情報登録されていなくても、入金状況で未払いの回数が多い場合も却下率は高くなります。
またCICは消費者金融系のJICC(日本信用情報機構)と情報共有しているので、カードローン会社や消費者金融会社の会員情報も参照することができます。
申し込みをしたクレジットカード会社の自社情報に関しては7年以上保管されていることが多いので、個人信用情報機関のデータが消えても残っています。
つまり、過去に遅れのあったクレジットカード会社への申し込みは5年以上経過しても却下され、過去に消費者金融での延滞があっても却下の可能性が高いのです。
【審査で却下される理由2】正常利用していても却下される理由
クレジットを利用した履歴はクレジットヒストリー(クレヒス)と呼ばれていますが、一般的に支払いの延滞なくふつうにクレジットカードを利用していれば、良好なクレジットヒストリーを築くことができます。
しかし、正常利用であっても多すぎる残高やクレジットカードの保有枚数が異常に多い場合は却下の対象となります。
クレジットカード会社が個人に対して行う与信(*1)には限りがあります。クレジットカード会社がこれ以上クレジットカードを発行すれば正常な支払いが難しくなると判断すれば却下もあり得るのです。
(*1)与信…信用を与えるという意味で、具体的にはクレジットカードの発行や融資の貸し付けをすること。
クレジットヒストリーが全く無い場合は、現在の支払い能力が審査対象になる
ネガティブ情報(ネガ情報)を持つことを通称「ブラックリスト入り」、「ブラック」と呼びますが、この反意語として「ホワイト」という言葉があります。
ホワイトは正常利用している情報(ポジティブ情報・ポジ情報)のことですが、さらに「スーパーホワイト」という言葉も使われるようになりました。
スーパーホワイトとは、個人信用情報機関にクレジットヒストリーが全くない状態のことです。このスーパーホワイトはクレジットカード審査ではどう判断されるでしょうか。
スーパーホワイトになる理由としては、5年以上全くクレジットや融資の利用がなかったか、あっても個人信用情報機関の情報から抹消されたかのどちらかが挙げられます。
個人信用情報機関に情報がないのはどちらも同じで区別することはできませんが、個人信用情報機関のネガ情報がなぜ5年で抹消されるのかを考えてみましょう。
これは5年以上経過していれば人用状況が変わっているだろうという考えに基づいています。つまり過去のネガ情報よりも現在の支払い能力を優先することで、正確な審査へとつながるようにしているのです。
スーパーホワイトの状態で却下されると、どうしてもスーパーホワイトだから審査に落ちたと思いがちですが、実際の却下理由は別にあることがほとんどです。
例えば年収が低い、勤続年数が短いといった収入が不安定と判断されたケースなどがあります。
収入の安定・不安定はどう判断する?
収入が安定しているかどうかの判断は、年収や勤務情報を元にジャッジしています。
特にクレジットヒストリーがない場合は、年収や勤務情報が重要になります。
もちろん、年収は高いほど、勤務先が有名企業であるほど、勤務年数が長いほど、クレジットカードの入会審査には良いということは事実です。
しかし、一般カードであれば30万円の利用枠が標準なので、それほど高い年収は求められません。中小企業であっても一定以上の勤務年数があれば審査は通過します。勤務年数は3年以上が望ましいですが、最低限でも1年以上は必要となります。
アルバイトや派遣社員といった非正規雇用の場合は収入不安定と判断されやすくなります。
しかしその場合でも勤務年数や良好なクレジットヒストリーでカバーできます。また、選ぶカードを間違えなければパート・アルバイトや派遣社員というだけで却下されることはありません。
意外な却下理由
クレジットカード申し込みの際、クレジットカード会社は電話で申込者のクレジットカード入会の意思確認や自己申告した勤務先への在籍確認を行います。
入会意思や勤務席の在籍の確認が取れなければクレジットカードが発行されないこともあります。
長期出張や旅行でしばらく連絡が取れないようになる、海外へ旅行に行く予定があるなどの場合は、クレジットカード入会申し込みのタイミングをずらしましょう。
また勤務先や自宅の電話番号を間違えても連絡不能として却下の可能性があるので気をつけましょう。
申込書に記入漏れがある場合は却下ではありませんが、申込書が返却されることもあります。二度手間となるので申込書はきちんと記載しましょう。
良好なクレジットヒストリーを作るには、とにかくポジティブ情報を積み上げること
社会的な地位が高い富裕層が必ずクレジットカード審査を通過するとは限りません。
医師や弁護士、上場企業役員でもネガ情報があれば却下されます。
クレジットヒストリーの影響力は高いので、クレジットカード審査で却下された場合でもその後とにかくポジティブな情報、正常なクレジットヒストリーを積み重ねることで審査通過率を高めることができます。
入会しやすいクレジットカードやショッピングクレジットでクレジットヒストリーを作る
良好なクレジットヒストリーはすぐには作れない
良好なクレジットヒストリーというのは長期間支払いを延滞せずに使い続けているという状態です。
2~3万円のクレジット利用が1回あっても良好なクレジットヒストリーとは言えません。3万円の正常利用があっても利用枠30万円のクレジットカードの審査を通過できないのは、常識的にも判断できるでしょう。審査担当者はそんなに甘くありません。
良好なクレジットヒストリーを作るのであれば、長期間クレジットを使い続ける根気が必要です。少なくても累計でカード利用枠以上の利用をしましょう。
CICでは申し込み情報も6か月間記録しているので、その間に申し込みが集中すると却下されやすくなります。それも考慮して6か月以上は間を空けるようにしましょう。こうして時間をかけることが信用力を高めるのには必要です。
まとめ
クレジットカードの審査は一つの審査項目が良好であれば、必ず通過するといった単純なものではありません。
あらゆる審査項目を参照した総合的な判断に基づいて審査結果が決まります。自分では考えていなかったことが原因で審査が却下されることもあります。
一度も支払に遅れたことがないのに却下された、年収も高く勤続年数も長いのに却下されたというケースは、他社での利用残高が多すぎるといった理由も考えられます。
また、自分の収入に見合っていないゴールドカードといったグレードの高いクレジットカードに申し込みしたり、年齢条件に合わないクレジットカードを申し込んだりといった単純なミスによる却下もあります。
今回の情報を参考に、いろいろな角度から検討して適切なクレジットカードに申込しましょう。