持つべき?クレジットカードを持つメリットとデメリット
安全面で不安を持ったり、使いすぎを心配したりといったことで、クレジットカード払いをためらっている人が多いようです。また、クレジットカードをまだ借金と考える人や、お金がない人が利用するものだと思っている人も少なくありません。
実際にはクレジットカードは現金よりも安全で、信用がない人には発行されない仕組みになっています。
今回はそうしたクレジットカードに対する誤解を解くためにも、クレジットカードのメリットやデメリットを解説していきます。まだクレジットカードを持っていない人は、ぜひ参考にしてください。
クレジットカードのしくみ
クレジットカードのメリット・デメリットを解説する前に、まずはクレジットカードのしくみについて解説しましょう。
カードショッピングは後払いのシステム
クレジットカードでの買い物のしくみは三者間契約の上に成り立つ立て替え払いシステムです。
クレジットカード会社、カード会員、カード加盟店の三社がそれぞれ契約をしています。カード会社とカード会員は「クレジットカード契約」、カード会社と加盟店は「加盟店契約」、カード会員と加盟店は「売買契約」により法律的な関係を結んでいます。この契約に基づいてカードショッピングの流れは次のようになります。
カード会員がクレジットカード決済によって加盟店で商品を購入(売買契約)
クレジットカード会社が加盟店に商品代金を立て替え払いする(加盟店契約)
カード会員はクレジットカード会社の請求に基づいて支払いをする(クレジットカード契約)
クレジットカードによる支払いのしくみは上記のように、クレジットカード会社が会員に代わって立て替え払いをするという点に特長があります。
直接お金を借りるのではなく立て替え払いするため、「立て替え払い契約」と呼ばれることもあります。これによってクレジットカード会員は後払いをすることができるしくみです。
カードキャッシングは金銭消費貸借契約
カードショッピングと違いクレジットカードでお金を借りることができるカードキャッシングは、一般的な融資やカードローンと同じ「金銭消費貸借契約(きんせんしょうひたいしゃくけいやく)」という契約形態になります。
その名称のとおり、お金の貸し借りを行う場合の契約です。
カードキャッシングやカードローンの場合はあらかじめ決めた利用枠の範囲内で繰り返し借り入れができるので、一般的な融資とは少し違います。証書貸し付けと呼ばれている一般融資は、借り入れのたびに契約書を作成しますが、カードローン・カードキャッシングは最初に契約をするとそれ以降は自由に借り入れができる特長があります。
クレジットカードは会員証と同じ
クレジットカード契約は会員制度なので、カード加盟店で買い物ができるのはカード会員だけになります。クレジットカードはカード会員であることを証明するもので、クレジットカード会社から貸与された会員証と考えるとわかりやすいでしょう。
そのためカード会員規約ではクレジットカードの譲渡や貸与を禁止して、カード会員以外の利用を制限しています。つまりクレジットカードそのものはカード会員の所有物ではないので、家族であっても貸したり、譲ったりすることはできません。
クレジットカードのメリット
クレジットカードにはキャッシュレスで買い物ができるという基本的な機能のほかに、安全面に配慮したサービスや、カード会員にお得なサービスが提供されています。
クレジットカードにはどんなメリットがあるのかをご紹介しましょう。
クレジットカードは現金払いよりも安全
クレジットカードが安全と言われる理由のひとつにはカード盗難保険の付帯があります。
クレジットカードは本来カード会員しか使えないので、盗まれても悪用されることはないはずですが、カード犯罪の多様化によって現実的には悪用されるケースがあります。
そのためクレジットカード会社はカード盗難保険を標準付帯することで、クレジットカード本体が盗まれて不正利用されても被害を補償しているのです。
現金は盗まれてしまえば戻ってこない可能性が高いですが、保管義務を守っている限りクレジットカード悪用の被害を負担することはありません。カードの保管義務はそれほど難しいことではなく、現金と同じように常に携帯していれば問題ありません。
最近ではカード本体ではなくクレジットカード情報を盗んでネットショッピングで悪用するカード犯罪が増えています。
クレジットカード本体はカード会員の手元にあるので、カード盗難保険では対応できない場合があります。そのためクレジットカード会社ではネット不正利用に対応した補償も行っています。
それ以外にも各クレジットカード会社では、不正利用検知システムを構築して、早期に不正利用を発見する努力をしています。
クレジットカードは付帯サービスが豊富
クレジットカード利用者にとって大きなメリットは付帯サービスが充実しているという点です。
安全面でのサービスも充実していますが、実利のあるサービスが多い点がクレジットカードの魅力の一つです。それでは主なサービスをご紹介しましょう。
ポイントサービス
クレジットカードではカードショッピングをした金額に対してポイントが付与され、ポイントを商品交換などで還元できるサービスが付帯されています。
ほとんどのクレジットカードで提供されているサービスで、ポイント還元率は標準で0.5%ですが、還元率に関しては1%を超えるクレジットカードも少なくありません。
また年間のカード利用金額によって次年度のポイントがアップするなど、還元率を上げるサービスも豊富なので、基本還元率を上回るメリットがあります。
貯まったポイントは商品交換だけではなく、商品券やキャッシュバック、マイルやほかのポイントへの移行といった様々な用途に交換できます。クレカによって交換サービスに特長があるので、クレジットカード申し込み前にチェックしておきましょう。
付帯保険
カード盗難保険やネット不正利用の補償サービスは標準で装備されていますが、それ以外にも便利な付帯保険があります。
一般カードでも付帯されているのが海外旅行傷害保険やショッピング保険です。
海外旅行傷害保険では旅行先での死亡後遺障害、治療費用、携行品の損害が補償されます。ショッピング保険はカードショッピングで購入した商品の盗難破損を補償する保険です。
そのほかにも国内旅行傷害保険や航空便遅延損害補償といった保険がありますが、付帯保険はクレジットカードのグレードによって付帯されるかどうかや補償内容が違ってきます。
ゴールドカードやプラチナカードといった上位カードほど付帯される保険も多く補償内容も充実します。
優待サービス
優待サービスは国内外の宿泊施設や、飲食店、レジャー施設などで割引などの特典を受けることができるサービスです。
優待サービスはカード発行会社だけでなく国際ブランドでも提供しています。特に海外の優待サービスは国際ブランド提供のサービスが充実しています。
海外・国内旅行向けサービス
ゴールドカード以上のグレードになると空港ラウンジ無料サービスといった旅行向けのサービスが充実します。
しかし、一般カードでも海外旅行先でのトラブルや観光地案内、各種案内予約をしてくれるトラベルアシスタンスサービスが提供されています。特にJCBカードで利用できるJCBプラザは現地スタッフが日本語で対応してくれるので便利です。
クレジットカードでステータスを示せる
クレジットカードは欧米では信用を表すカードとしても認識されています。
クレジットカードを作るには審査が必要ですが、審査基準が高く作るのが難しいクレジットカードほどステータスが高いと認識されます。日本では銀行系のJCBカードや三井住友カードはステータスが高いと言われています。
また、国際ブランドではアメリカン・エキスプレスやダイナースクラブといったカードブランドが高いステータスを誇っています。こうしたステータスの高いクレジットカードを持つことで、高い支払能力や社会的地位を示すことができます。
クレジットカードのデメリット
クレジットカードのデメリットとして「使いすぎてしまう」「不正利用が心配」といったことがよく言われています。
不正利用に関してはすでに解説した通り、盗難保険やネット不正利用補償サービス、クレジットカード会社の不正利用検知システムなどによってカード会員は二重、三重に守られています。
保険に関しては会員規約を守っていないと適用にならないケースもありますが、下記の点に注意すれば保険適用外にはなりません。
クレジットカード保管に関して気をつけるべき点
・クレジットカードが届いたら裏面署名欄にサインする
・推測されない暗証番号を登録し、だれにも教えない
・クレジットカードは常に携帯して車内などに放置しない
・クレジットカードは家族を含めた第三者に貸与、譲渡しない
また使いすぎに関してはクレジットカードのデメリットではありません。確かに後払い方式で手元に現金がなくても買い物ができるため、使いすぎる人もいるかもしれません。
しかし、使いすぎるのは本人の問題で、そうした人は現金払いであってもお金を借りてまで買い物をしてしまいます。決してクレジットカードのシステムのデメリットではないのです。
まとめ
クレジットカードを利用する場合はデメリットと言われている点に注意して使う必要はありますが、それ以上にメリットのほうが大きいということができます。
クレジットカードは使い方によって節約につなげることもでき安全なシステムです。カード年会費を支払うのが嫌という人も年会費無料のカードはたくさんあります。
また、今まで、セキュリティや使いすぎに不安があった人も今回ご紹介したメリットを考えてみて、一度クレジットカードを利用してみてはいかがでしょうか。