低所得は審査に影響する?入会審査時に年収が与える影響とおすすめのクレジットカード
その支払能力は年収と勤務先情報、過去の利用状況などから判断しています。クレジットカード申込書に記載する年収は裏付け資料の提出は義務付けられていません。カードローンの申し込みでは金額によって所得証明書の提出が必要ですが、クレジットカードの場合は年収欄の記載は自己申告です。
クレジットカード審査で年収はどれくらい影響するかは、申込したカードの種類やグレードによります。年収が低いケースとしては、新社会人や年金受給者、非正規雇用者などが考えられます。
こうしたケースではグレードの高いゴールドカードやプラチナカードに申込しまないので、一般カードに限定して低所得者はどんな注意をしたらよいか、どんなクレジットカードを選んだほうがいいかを解説していきます。
一般カードに必要な最低年収
一般カードであればそれほど高収入は必要ありません。
カード利用枠は30万円が一般的ですが、5万円や10万円といった利用枠で発行されることもあります。こうしたことを考えるとおのずと最低年収額が見えてきます。
割賦販売法の規制から最低年収を推測する
割賦販売法(かっぷはんばいほう)は割賦販売(分割払い)について規制している法律で、クレジットカードのショッピングのうち1回払い(一括払い)を除く支払い方法は、すべて割賦販売法の規制を受けます。
割賦販売法では1回払い以外の支払方法で利用できる枠の上限が決められています。この利用可能枠を計算するために、年収から生活維持費と既存のクレジットの年間支払金額を差し引いた「支払可能見込額」を算出する必要があります。
お役所の作った言葉なので回りくどい呼び方ですが、簡単に言うと「年収」から「生活費」と「今支払っているクレジットの年間支払額」を引いた金額が利用枠のもとになるということです。
この生活費は法律で決められていて、家族構成や持ち家、住宅ローンの有無などで違いがあります。
例えばアパートで一人暮らしの場合、生活維持費は116万円に設定されています。
最も少ないケースでは持ち家で住宅ローンがない場合で、90万円です。一般的に低所得者で持ち家というケースはまれなので、この時点で120万円の年収ではほとんど利用枠がないということになります。
割賦販売法の利用枠は実際には、「支払可能見込額」×90%が上限です。
ほかにクレジット利用がなければ、年収150万円で利用枠は30万円ということになります。(150万円-116万円)×90%=30.6万円
年収150万円以下で審査を通過する可能性
それでは年収150万円未満ではクレジットカードの審査に通過しないのでしょうか?
先ほどの計算では30万円の利用枠であれば、年収は最低でも150万円が必要という推測が成り立ちます。
しかし、クレジットカードの利用枠は30万円固定ではなく、5万円や10万円が最低利用限度額のカードもあります。
少なくても一人暮らしであれば年収122万円で利用枠5万円、年収128万円で利用枠10万円までは計算上可能となります。
また割賦販売法で制限される利用枠は、主にリボ払いや分割払いができる通称「割賦利用枠」と言われるものです。1回払いの利用には規制はないので、ある程度のプラス枠が期待できます。
しかし、年収120万円未満ということは毎月10万円未満の収入ということになるので、これは常識的に考えてもクレジットカードの利用は無理という判断ができます。年収150万円でも収入が不安定と判断されれば審査で却下される可能性は高いですが、年収だけを考えると150万円あるかないかというのは一つの目安になるでしょう。
カード利用枠5万円、10万円のクレジットカード
最低利用枠が5万円というクレジットカードはなかなかありません。しかし、10万円の利用枠であればクレジットカードの選択肢が広がります。
最低利用枠5万円のおすすめクレジットカード「楽天カード」
楽天カードは最低利用枠5万円の年会費無料のクレジットカードです。どこの加盟店でもポイント還元率1%で、楽天市場内でキャンペーンを利用すればポイントを2倍以上にアップさせることも可能です。
期間限定のキャンペーンもあり常にポイントアップのチャンスがあります。楽天カードのキャンペーン詳細情報は常にチェックしておくとお得です。
楽天ポイントを貯めるためのポイントサービスに特化されたクレジットカードですし、楽天市場を利用しない人でも還元率が常時1%と高いので、貯まったポイントをほかのポイントやマイルに移行して利用することもできます。
楽天カードの利用枠が最低5万円となっているのはカード利用者をパート・アルバイトも対象にしているためです。国際ブランドは3種類の中から選べるので楽天VISAカードだけではなくJCBカード、マスターカードもあります。
ただ楽天カードは入会しやすい代わりに、カード更新前でも審査を行っていて強制解約率も高くなっています。
これは入会させてから継続して審査することで、優良会員だけを残していくという方針だと推測されます。実際ネット上では増枠申請したら強制解約になったという情報もありますが、支払い遅延がなく他社カードも含めて過度な利用がなければ心配する必要はありません。
最低利用枠10万円のクレジットカード
一般カード、特に年会費無料カードや若年層向けのクレジットカードのほとんどは、最低利用枠は10万円からになっています。
銀行系でステータスの高い三井住友カードでさえ最低利用枠は10万円です。グレードの高いゴールドカードでない限り、年収の面だけを考えると、ほとんどの一般カードであれば年収150万円前後でも審査の対象になるでしょう。
審査に通りやすくするコツとしてはキャッシング枠をゼロにして、ショッピング枠だけで申し込みをすることです。
キャッシングを生活費やギャンブルなどの不健全な利用に使うという疑念をなくすためにも、買い物専用のカードとして使うことを強調しましょう。
ただし、クレジットカード審査を通過するかどうかは、自己申告の年収だけで決まるわけではありません。
クレジットカード審査で年収以外の重要なポイント
クレジットカード審査では「安定した継続的収入」が最も重要な審査ポイントです。
預金残高がいくらあっても無職で収入がないとすれば、クレジットカード審査では却下される可能性が高いでしょう。クレジットカード会社は預金残高まではチェックできないからです。こうした場合は預金を生かしてVISAデビットカードを利用するしかありません。
クレジットカードの審査については、こちらの記事でも詳しく書いています。
逆に考えると高収入でなくても、継続的な収入があればクレジットカードの審査を通りやすいということです。クレジットカードではリボ払いや分割払いがあるので、毎月10,000円の支払いができれば、一般カードでは十分な返済能力と言えます。
もちろんすでに何枚もクレジットカードを持っていればそれらも含めた判断がされますが、初めてのクレジットカードであれば高年収よりも安定収入が大事です。
収入が安定しているかどうかの判断は年収額では測れません。勤務先とその勤務年数で判断をします。有名企業でなくても何年も勤務していれば、継続した安定収入と判断されます。
年収が低くても長く働いている人であればクレジットカードを作ることができます。クレジットカードの信用力は高額利用ではなく、少ない利用額でも毎月継続して利用することで築かれるのです。
まとめ
クレジットカード審査で却下される場合、年収が低いせいではないかと思いがちですが、実際は年収以外の理由で却下されていることも多いのです。
給与所得者の場合、「年収」とは源泉徴収票の所得金額ではなく収入金額になります。
サラリーマンは経費がほとんど認められていないので、収入金額から控除金額を差し引いた金額が所得となります。収入から控除金額を差し引くと所得金額となって税金の対象となります。しかし控除金額は自営業者の経費と違い、実際にかかったお金ではないので、年収欄には収入金額を記入するのが正しいことになります。年収欄に所得金額を記載していた人はかなり損をしているでしょう。
また、自己申告の年収も重要ですが、同様に勤務先や勤務年数といった情報が重要であることもお分かりいただけたかと思います。
今まで年収が低くて却下されていた人も、実は勤務年数の短さや、過去の利用実績が理由で却下されていたかもしれません。
もしくはカード利用枠の高いクレジットカードに申込していたということ考えられます。
適正なクレジットカードに申し込みをすれば、低所得でも作れるクレジットカードは多いのです。