ANA特典航空券交換への必要マイル数と、1マイルの価値
航空会社各社はそれぞれマイレージプログラム(ショップの利用者ポイントに類似した制度)を用意しており、飛行機に乗ったり空港設備を利用したりすることでマイルが貯まるようになっています。
一定数のマイルを貯めると、特典航空券に交換することができます。
マイレージプログラム会員向けの「特典」なので、「特典航空券」と名前がついています。
マイルを貯めるには、航空会社の便に搭乗して貯める「フライトマイル」のほか、マイレージプログラムと提携したクレジットカードで日常の買い物をしてマイルを貯めたり、貯まったカード会社のポイントをマイルに交換するという方法があります。
フライト(搭乗)ではなく、クレジットカード利用等日常の買い物、ポイントでマイルを貯める・特典航空券に交換する人々のことを「陸(おか)マイラー」と呼ぶこともあります。
今回は、ANAマイルの特典航空券に必要なマイル数と、1マイルあたりの価値(円)をご紹介します。
ANA特典航空券の概要~シーズン・クラスごとの違い
ANAの航空券は、区間とシーズン、クラス(エコノミー、ビジネス、ファースト)によって必要マイル数が変わります。
クラス料金はエコノミークラスが最も安く、ファーストクラスが最も高いです。
また繁忙期から閑散期まで、ハイシーズン(H)、レギュラーシーズン(R)、ローシーズン(L)の区別があり、繁忙期の方が必要マイル数が多いです。
さらにANAの国際線では、地域ごとにシーズンの月日が少しずつ違います。
2018年のANA国際線の各地のシーズンは以下のように定められています。
ANA国内線のシーズンは一律同じ日付です。2018年の場合は以下の通りです。
ローシーズン | 1/8~2/28、4/1~4/26、12/1~12/21 |
---|---|
レギュラーシーズン | 3/1~3/15、5/7~8/9、8/21~11/30 |
ハイシーズン | 1/1~1/7、3/16~3/31、4/27~5/6、8/10~8/20、12/22~12/31 |
ANA国際線の区間・シーズン別マイル数
ANA国際線の区間は、日本をZone1とし、Zone2(韓国・ソウル)からZone10(オーストラリア・シドニー)まで、地域ごとに定められています。
最も必要マイル数が多いのはZone7(ヨーロッパ)、最も少ないのはZone2(韓国)です。
少し細かい話になりますが、日本のZone1はZone1-AとZone1-Bに分かれており、Zone1-Aは日本⇔(目的地)で往復する場合、Zone1-Bは日本⇔(経由地)⇔(目的地)と、旅程に日本以外の出発区間が組み込まれている場合を指しています。
Zone1-AよりもZone1-Bの方が、必要マイル数が多いです。
今回はZone1-A(日本と1目的地の間で往復する場合)で、エコノミークラスで往復する場合の必要マイル数をみていきます。
※ANA国際線の特典航空券は片道だけの予約はできません。以下は全て往復に必要なマイル数です。
行きと帰りのシーズンが異なる場合は、必要マイル数の合計を2分の1にして算出します。
渡航先 | ローシーズン | レギュラーシーズン | ハイシーズン |
---|---|---|---|
Zone2(韓国) | 12,000 | 15,000 | 18,000 |
Zone3(アジア1) | 17,000 | 20,000 | 23,000 |
Zone4(アジア2) | 30,000 | 35,000 | 38,000 |
Zone5(ハワイ) | 35,000 | 40,000 | 43,000 |
Zone6(北米) | 40,000 | 50,000 | 55,000 |
Zone7(欧州) | 45,000 | 55,000 | 60,000 |
Zone10(オセアニア) | 37,000 | 45,000 | 50,000 |
ビジネスクラスの場合、エコノミークラスのおよそ1.5~2倍、ファーストクラスの場合エコノミークラスの3倍程度のマイルが必要です。
ANA国際線1マイルの価値は、席のクラスが上がるほどアップ
次に、2018年の1月8日~1月11日(ローシーズン)にZone1(日本)とZone2のソウル(仁川)、Zone7のミュンヘンをそれぞれ往復した場合の普通運賃(エコノミークラス、ビジネスクラス、ファーストクラス)と必要マイル数を例にとって、1マイルの価値を調べます。
(※普通運賃は便によって変動があります)
クラス | エコノミークラス | ビジネスクラス | ファーストクラス |
---|---|---|---|
日本⇔ソウル特典航空券(マイル) | 12,000 | 25,000 | – |
ソウル普通運賃(円) | 46,270 | 126,270 | – |
1マイルの価値 | 3.6円 | 5.0円 | – |
日本⇔ミュンヘン特典航空券(マイル) | 45,000 | 80,000 | 165,000 |
ミュンヘン普通運賃(円) | 247,330 | 786,330 | 2,904,040 |
1マイルの価値 | 2.9円 | 9.8円 | 17.6円 |
上記のように、予約クラスが上がるほど1マイルの価値も大きくアップすることになります。
ANA国内線の必要マイル数
ANA国内線は、4つの区間に分かれており、それぞれに必要マイル数が設定されています。
- 0~600マイル区間:東京⇔大阪や大阪⇔福岡、名古屋⇔松山、札幌⇔秋田等の近区間
- 601~1,600マイル区間:上記、下記以外の区間
- 1,601~2,000マイル区間:東京⇔沖縄、大阪⇔宮古・石垣、札幌⇔福岡等のやや遠区間
- 2,001~4,000マイル区間:東京⇔石垣・宮古、札幌⇔沖縄等の遠区間
ちなみに「〇〇区間」の数字は、ANAマイレージクラブに入っていて、その区間を飛んだ場合に貯まる基本のマイル数(区間基本マイレージ)です。
ANA国内線のフライトマイルは、これに運賃種別ごとの積算率をかけて算出されます。
ANAと提携しているクレジットカードの会員だと、フライトマイルにさらに10%以上のボーナスマイルがつきます。
ANA国内線の区間・シーズンごとの往復に必要マイル数は以下の通りです。
ANA国内線は片道ごとの予約もできます。片道の場合は往復マイル数の半分となります。
行き先 | ローシーズン | レギュラーシーズン | ハイシーズン |
---|---|---|---|
0~600マイル区間 | 10,000 | 12,000 | 15,000 |
601~1,600マイル区間 | 12,000 | 15,000 | 18,000 |
1,601~2,000マイル区間 | 14,000 | 18,000 | 21,000 |
2,001~4,000マイル区間 | 17,000 | 20,000 | 23,000 |
ANA国内線1マイル=何円?
2018年1月8日~1月11日(ローシーズン)に普通運賃(往復運賃)で東京(羽田)と大阪(関空)、石垣を往復した場合を例にとって、1マイルの価値を確認してみます。
発着地 | 東京(羽田)⇔大阪(関空) | 東京(羽田)⇔石垣 |
---|---|---|
区間 | 0~600マイル区間 | 2,001~4,000マイル区間 |
必要マイル | 10,000 | 17,000 |
往復運賃 | 46,380円 | 115,980円 |
1マイルの価値 | 4.6円 | 6.8円 |
ANA国内線特典航空券で予約できるのは、普通席のみです。プレミアムクラスの予約はできません。
ANA特典航空券の予約は早めが吉
ANA特典航空券は予約がとりにくい、という声もありますが、国内・国際特典航空券は予約期間と変更期限、有効期限に以下の猶予期間がありますので、早めにチケットをとっておいて、あとで出発日を調整するとよいですよ。
搭乗日変更によってシーズンが変わり、差額が発生する場合は、マイルを追加支払いするか、もしくは払い戻しがされます。
国際線航空券の場合
- 予約期限:搭乗の355日前の午前9時~往路出発の96時間(=4日)前まで
- 変更期限:発券前は往路出発日の14日前(預かり期限)まで。発券後は有効期限内で搭乗日・便の変更が可能
- 有効期限:往路チケットは発券後1年間、復路チケットは旅行開始日から1年間
国内線航空券の場合
- 予約期限:搭乗2ヶ月前の同一日(※)午前9時~搭乗日4日前まで。往復の場合、復路が往路から14日以内になる場合、一緒に予約できる。
※搭乗2ヶ月前の同一日とは、たとえば4/15が搭乗日の場合、2/15から予約できるということです。 - 変更期限:希望便出発日の4日前(例:18日に出発したい場合14日)まで、かつ、もともとの予約便の出発前まで。予約便の搭乗日当日、空席があれば便を早めることも可能
- 有効期限:発券翌日から90日間
ANAマイルは、スターアライアンス加盟航空会社の特典航空券への交換も可能
ANAは世界的な航空連合のひとつ、「スターアライアンス」に所属しています。
スターアライアンスには、アメリカの大手航空会社ユナイテッド航空や、ANAと同じくSKYTRAXの5つ星のエアラインに認定されたシンガポール航空など、28の航空会社が所属しています。
スターアライアンス内では、ひとつの航空会社のマイルを他社の特典航空券に交換することが可能です。
そこでシーズンによっては、ANAよりも別の航空会社の特典航空券に交換した方が安い、ということが起こります。
たとえばユナイテッド航空の特典航空券の場合、シーズンによる区別がなく、ANAよりも国内航空券の必要マイル数が少ないです。
日本国内ならば、片道5,000マイルでエコノミークラスの特典航空券をとることができます。
ANAなら最も近区間の0~600マイル区間・ローシーズンでも往復10,000マイルかかりますから、ユナイテッド航空の国内航空券はとってもお得ということがわかります。
ANAマイルはANA SKYコインへ交換することもできる
ANA特典航空券は期間内ならいつでも搭乗便・搭乗日の変更が可能です。
そのため、早く発券しておいて、あとから搭乗日や便を調整するというやり方をとるのがいいです。
ただし、「今度の週末に搭乗したいな」というときは、特典航空券の予約席が満席で、うまく予約がとれないこともあります。
そこで、ANAマイルをANA SKYコインに交換すれば、特典航空券でない国内・国際航空券を予約して、支払いに使うことができます。
ANA SKYコインとは、ANAホームページで使える電子クーポンのことです。航空券以外にも「ANA SKY WEB TOUR」で取り扱っているパッケージツアー等購入に使えます。
ANAマイルからANA SKYコインへの交換比率は、使っているANAカードのグレード、および交換単位によって変わります。
ANAマイレージクラブ会員(無料)の場合は1~1.2倍、ANAカード(一般・ワイド)の場合1~1.5倍、ANAゴールドカードやANAダイナースカードの場合1~1.6倍となっています。
詳細は以下の通りです。
ANA SKYコインに交換して航空券を買った場合、1マイルあたりの価値はマイルから特典航空券に交換した場合よりも低くなります。しかし、出発日まで間がない場合には便利です。
また、特典航空券の利用でフライトマイルはつきませんが、SKYコインで航空券を買えば、フライトマイル加算の対象になります。
マイルから特典航空券に交換する場合と違い、ANA SKYコインだけで足りない場合は、差額をクレジットカードで支払うことも可能です。
おすすめカード3選
陸・空の旅に使うなら……Suicaチャージでマイル対決! JALカードSuica vs.ANA VISA Suicaカード
マイル・ポイントを通常状態の4倍貯める方法
前提条件:ANAマイルとJALマイルを同一区間で比較してみた
楽天グループでのネットショッピングでポイント2倍!ポイントがどんどん貯まるのを実感できる!
獲得したポイントは、楽天のサービス内で1ポイント=1円として自由に利用可能!
貯まったポイントが使える場所が、ネットのみならずリアル店舗にもどんどん進出中!
100円につき1ポイント=1マイルが貯まる
ANAグループ・提携店利用でマイル&ポイントボーナス
メンバーシップ・リワードは、共通ポイントやANA以外の15社のマイルに交換することも可能