ガソリンスタンドでお得になるクレジットカード、“ガソリンカード”の魅力に迫る

最終更新日:2016/07/06

車によく乗る方であれば、気になるのがガソリン代が値引きされるサービスのついたクレジットカード、「ガソリンカード」。

ガソリンカードの選び方、ガソリン代値引きだけではないガソリンカードの魅力など、ガソリンカード選びに知っておいて損はない情報をお届けします。

ガソリンカードってなに?

車によく乗る人に、ETCカードと共に人気なのが、ガソリン代が割引されるサービスのついたクレジットカード、通称「ガソリンカード」です。(ETC機能付きクレジットカードについての詳しい記事はこちら)。
よく車に乗る方であれば、ガソリンは車に乗る際に必要経費としてかかってくるだけに、安ければ安いだけお得です。

ガソリンカードとは、石油会社などが発行しているガソリン代が安くなるクレジットカードです。

ほかにも、特定のガソリンスタンドでの利用でポイント還元率がアップするクレジットカードもあります。
たとえば、楽天カードであれば、全国のENEOSでの利用でポイント還元率が2倍の2%にアップします。
つまり、5,000円の給油で100円相当のポイントが貯まります。

石油会社が発行しているガソリンカードの場合、万が一車が事故などのトラブルに遭った際に備えて、ロードサービスや保険などが付帯しているものがほとんどです。

それだけではなく、「クレジットカードで支払うとポイントがたまる」というクレジットカードの特性を生かして、ポイント還元というかたちでガソリンを安くお得に入れる方法もあります。

ガソリンカードは、大きくわけて以下の3タイプがあり、車の利用頻度にあわせて、お得なガソリンカードは異なります。

「1リットルあたり○円」などと一律で値引きされるタイプ

ガソリン利用料に応じて値引き価格が変動するタイプ

ポイントがつき、それが還元されてお得になるタイプ

では、ひとつずつ比較していきましょう。

①「1リットルあたり○円」などと一律で値引きされるタイプ

そんなにたくさん車に乗るわけじゃないけれど、値引き価格でガソリンを入れたいという方におすすめなのが、「年会費無料」かつ「一律割引」のガソリンカード。

ガソリンカードの維持費がかからないうえ、常にガソリンが割引価格で入れられるので、お得です。

ENEOS CARD S(エネオス カードS)

全国のENEOSとENEOS一般加盟店で利用できるガソリンカードで、年会費が1250円(税抜)かかりますが、年に1度以上の利用で、次年度の年会費1,250円が無料になるので、実質上年会費無料です。

このクレジットカードの利用で、レギュラー・ハイオク・軽油はいつでも
1リッターあたり2円引き、灯油はいつでも1円引きの会員価格になります。

以下のロードサービスが付帯しています。

  • レッカー車による移動が10キロまで無料
  • 路上での修理が30分まで無料

出光カードまいどプラス

全国にある出光SS(サービスステーション)で利用ができます。年会費が永久無料で、レギュラー・ハイオク・軽油がいつでも1リットルあたり2円の値引き、灯油が1円引きの会員価格になります。

また、WEB明細の利用で、毎年5月にガソリン代を最大300円キャッシュバックしてくれます。

ロードサービス自体は付帯していませんが、特別年会費750円(税抜)を払ってロードサービスが受けられる「ロードサービス特別価格」や、年会費500円(税抜)でガソリン利用額に応じてガソリンを安くできる「ねびきプラスサービス」などが有料オプションでカスタマイズできます。

②ガソリン利用料に応じて値引き価格が変動するタイプ

車によく乗る方に圧倒的におすすめなのが、ガソリンを利用すればするほど、その利用額に応じて値引き額がアップするタイプのガソリンカードです。

ENEOS CARD C(エネオス カードC)

全国のENEOSとENEOS一般加盟店で利用できるガソリンカードで、年会費が1250円(税抜)かかります(初年度無料)。

月々のENEOSとENEOS一般加盟店でのクレジットカード利用額に応じて、ガソリン・軽油が1リッターあたり最大7円安くなります。

ENEOS/ENEOS一般加盟店での利用額と、対応割引価格

7万円以上 7円/ℓ引き
5万円~7万円未満 5円/ℓ引き
2万円~5万円未満 4円/ℓ引き
1万円~2万円未満 2円/ℓ引き
1万円未満 1円/ℓ引き

(※灯油はいつでも1円//ℓ引き)

<付帯ロードサービス>

  • レッカー車による移動が10キロまで無料
  • 路上での修理が30分まで無料

シナジーカード

全国のEsso、Mobil、ゼネラル、Expressで利用できるガソリンカードで、年会費が2,160円(税込)かかります(初年度無料)。

ENEOS CARD Cと同じく、前月の利用額によって、最大7円/ℓガソリンが安くなりますが、ENEOS CARD Cと異なる点は、前月の利用額が「ガソリンスタンドでの利用額」だけに限らず、「シナジーカードを使っていくら買い物をしたか」である点です。

シナジーカード利用額と、対応割引価格

7万円以上 7円/ℓ引き
5万円~7万円未満 5円/ℓ引き
2万円~5万円未満 3円/ℓ引き
1万円~2万円未満 2円/ℓ引き
1万円未満 1円/ℓ引き

(※灯油は対象外)

つまり、仮にガソリン代の利用が月にたった1万円であっても、携帯電話利用代金で1万円、ショッピングで4万円、電気代等の光熱費で1万円をシナジーカードで支払っていれば、それだけで翌月は7円/ℓ値引きを受けられます。

さらに特筆すべきなのは、シナジーカードの年間利用が259,200円以上の場合次年度の年会費2,160円が無料になることです。 条件額259,200円を12ヵ月で割ると月々の支払いは21,600円になり、ショッピング代金や携帯電話、光熱費などの公共料金をシナジーカード払いにすれば、そこまでハードルが高い金額ではないといえます。

そのほかの優待特典も充実しており、全国400ヵ所以上の日帰り湯が最大60%オフ、国内外およそ67,000軒以上のホテルや旅館が最大90%オフなどの特典があります。

③ポイントがつき、それが還元されてお得になるタイプ

ガソリン給油時にガソリンの割引はありませんが、ガソリン給油によって獲得したポイントを後から活用することでお得になるカードです。

その場でガソリン自体は安くならないため、あまりお得感はないかもしれませんが、場合によってはこちらのほうがお得になることがあります。

また、ガソリン給油でたまったポイントがガソリン関連以外のことに利用できるのも、うれしいメリットです。

シェル-Pontaクレジットカード

昭和シェル×Pontaポイントがコラボレーションしたこのカードによって、ガソリンカードでも「共通ポイント」と呼ばれる、スーパーやコンビニエンスストアはじめ街ナカのさまざまな店舗で使えるポイントがためられるようになりました。

全国の昭和シェルのガソリンスタンドで利用でき、1,250円(税抜)の年会費がかかりますが、年1回以上の利用で無料になります(初年度無料)。

昭和シェル石油でのレギュラー・ハイオク・軽油の給油で、1リットルあたり2Pontaポイントがたまります。 さらに、Pontaポイント提携店では「通常ポイント+クレジットポイント」の2重取りが可能なので、実質100円あたり2ポイントをためることができ、お得です。

ENEOS CARD P(エネオス カードP)

全国のENEOS/ENEOS加盟店で利用でき、年会費は1,250円(税抜)です(初年度無料)。

給油・洗車で3%のポイント還元を受けられます。つまり、1,000円の給油で30ポイントたまります。

たまったポイントは1ポイント=1円で換算し、1,000ポイント単位でENEOSで利用できます(ポイント有効期間は2年間)。

耳より情報:高還元クレジットカードと「ENEOS Tカード」の利用でTポイントがお得にためられる
ENEOS Tカードは、全国のENEOS/ENEOS加盟店をはじめ(※一部店舗を除く)、TSUTAYAやファミリーマートなどTポイントと提携先で利用額に応じてTポイントをためることができる、TポイントとENEOSが提携しているカードです。

1リットルあたりの割引額は2円ですが、提示するだけでTカードにTポイントをためることができます。

2015年12月現在、Tポイントをためる・使えるガソリンスタンドはENEOSだけなので、Tポイントをお得にためたい方にはおすすめのTカードです。
ガソリンの支払いは、自分の手持ちの高還元のクレジットカードを使えば、「ガソリン代金をクレジットカード払いによるポイント」と「ガソリン代金を支払ったことにより得られるTポイント」の両方が獲得できてお得です。

要は、この2枚使いにより、「高還元で」なおかつ「お得に」ポイントをためることが可能になります。

ガソリン給油でポイントではなくマイルをためる方法

ガソリン給油でマイルをためることも可能です。

ANAのマイルをためる

ANAカードマイルプラスと提携している全国のENEOS・出光のガソリンスタンドでは、ANAカードでの支払いによってクレジットカード会社のポイントとは別にENEOSでは100円=1マイル、出光では200円=1マイルとして自動にポイントがつきます。

JALのマイルをためる

「JALマイレージバンク」加盟店である全国のENEOSでは、JALカード決済でマイルが2倍たまります。

給油するガソリンスタンドが決まっていない方におすすめのガソリンカード

決まったガソリンスタンドを利用していない方は、どこのガソリンスタンドで利用してもお得になるガソリンカードがおすすめです。

JCBドライバーズプラスカード

全国のガソリンスタンドで利用でき、キャッシュバックが受けられるガソリンカードです。 年会費は1,250円(税別)になります。

カードの月間利用額とガソリンスタンドと高速道路の利用額によってキャッシュバック率が変動するカードですが、ガソリンスタンドの系列を問わずにどこのガソリンスタンドを利用してもキャッシュバックの対象となるので、決まったガソリンスタンドを利用していない方におすすめです。

走行量がそこまで多くないなら、楽天カードがお得

ガソリン給油でお得になるガソリンカードをいろいろとみてきましたが、車の使用頻度がそこまで高くないのであれば、高還元率カードである「楽天カード」もガソリンカードとして優れています。

年会費:永年無料

★実はガソリンカードとしてもお得!ENEOSでの給油でポイント還元率はなんと2%、カーケア商品購入でも2%還元!


楽天カードであれば、どこで給油してもポイント還元率が1%でポイントがたまるうえ、ENEOSでの給油でポイント還元率は2倍の2%になります。また、ガソリンだけでなくバッテリーやオイル交換などのカーケア商品もポイント2%還元で買うことができるのも大きなメリットです。

唯一難点があるとすれば優待特典としてロードサービスがない点ですが、車にそこまで乗らないのなら、さほど問題にならないのではないでしょうか。

ガソリンカード選びのポイント

1.「給油するガソリンスタンド」から選ぶ

ガソリンカードを比較してきましたが、いかがだったでしょうか。

ガソリンカード選びの重要なポイントとして、「ふだん給油するガソリンスタンド」を選ぶことが挙げられます。

家の近所にある、職場までの通り道でいつも利用するなど、決まったガソリンスタンドを利用している方なら、その石油会社が発行しているガソリンカードを持つのが、お得を得られる近道です。

参考までに、以下に日本全国のガソリンスタンド店舗数をまとめました。
ENEOSの数が圧倒的に多いので、おすすめはやはりENEOSカードです。また、ENEOSでの利用でポイント還元率が2倍にアップする楽天カードもやはりおすすめといえますね。

ガソリンスタンドの店舗数

ENEOS 12471
出光興産 4285
コスモ石油 3904
JA-SS 1956
エッソ石油 1818
モービル石油 1516
ゼネラル石油 774

2.自動車の利用頻度から選ぶ

車をよく利用するので度々給油をする方なら、会員価格でガソリンが入れられるカードがお得ですが、給油頻度次第ではガソリン価格を割り引いてくれるカードを持つよりも、ノーマルな高還元率カードを持つほうが安くなることもあります。

ガソリン価格を割り引いてくれるカードは、入会することでガソリンを会員価格で入れることができて確かにお得ですが、年会費が発生してしまう分、ガソリンの給油量によっては、ノーマルな高還元のクレジットカードのほうが実はお得という状況になりかねないのです。

たとえば、このページで紹介したENEOSカードPの年会費は1,250円(税抜)かかります。

ENEOSカードPは、給油や洗車、オイル交換など全国のENEOS利用時に3%値引きされるカードですが、ENEOSでの利用でポイント還元率が2パーセントになる楽天カード(年会費無料)と比較した際、年会費1,250円分のもとをとろうとすると、1%分の差を埋めるためには年間で125,000円分のガソリン給油が必要となります。

2015年12月22日現在のガソリンレギュラーの価格は111.2円であり、112円と見積もっても、125,000円分のガソリン代金を支払うには、【125,000円÷112円=】1,116リットル分の給油が必要となり、これを月間給油量に換算すると、月間給油量が【1,116リットル÷12カ月=】93リットル以上であれば、ENEOSカードPのほうがお得になります。

ENEOSカードPと楽天カード比較

ENEOSカードP 楽天カード
年会費 1,250円(税抜) 無料
還元率 全国のENEOSでの利用で、3%のポイント還元 全国のENEOSでの利用で、2%のポイント還元

ENEOSカードPの年会費1,250円のもとをとるには、年間125,000円分のガソリン給油が必要!

月間給油量に換算すると、月間給油量93リットル以上で、ENEOSカードPのほうがお得になる。月間給油量が93リットル以下であれば、楽天カードのほうがお得!

ちなみに、ガソリン価格は常に変動するので、位置外に93リットル以上以下とはいえません。この1年間で一番ガソリン価格の高かった2015年の6月のガソリン価格:1リットルあたり136円で換算すると、1カ月91リットルの利用で楽天カードがお得になります。

3.付帯しているロードサービスから選ぶ

各石油会社が発行しているガソリンカードには、万が一に備えてロードサービスが付帯しています。
これはノーマルなクレジットカードには付帯していない点であり、サービスの条件内であればJAFや自動車保険に頼る必要がないので、有効だといえます。ロードサービスに特価しているJAFであれば入会金2,000円、年会費は4,000円かかるので、お得といえます。

ただし、付帯しているのはあくまでロードサービスであり、交通事故の際の対人賠償や人身傷害、車両保険などは付帯していません。

参考までに、ENEOSカードに付帯しているロードサービスは以下になります。

  • レッカーサービス
    レッカー車による移動をしてくれます。10kmまでは無料です。
    (追加は1kmごとに昼500円/夜600円)
  • 路上修理
    キー閉じ込み開錠サービス、バッテリーのジャンピングやタイヤパンク時の交換作業、ガス欠時の給油など、30分以内のサービスが無料です。

    スペアタイヤがない場合のタイヤ費用や、ガス欠時給油のガソリン代金などの実費に関しては支払いが必要です。

ほかにもさまざまなガソリンカードがある

上記で紹介した以外にも、入会時に新規入会特典として燃油量50リットルまで10円/ℓをキャッシュバックしてくれる「コスモ・ザ・カード・オーパス」や、昭和シェルのガソリンスタンドにて割引価格で給油できる「シェル スターレックスカード」などがありますが、給油が安くなる以外に特筆すべきメリットは特にありません。

ただ、普段から頻繁に利用するガソリンスタンドのカードであれば、1枚持っていても悪くはないはずです。

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