クレジットカードについている「付帯保険」って何?
新しいクレジットカードを作ろうと思っています。「付帯保険」という見慣れない単語をよく見るのですが、これって、何?自分の生活とどう関係があるの?
クレジットカードを持ちたい大学生
暮 聖也(くれ・せいや)
クレジットカードの女王
蘭蜜先輩
あらかじめチェックしておけば、そのカードの恩恵を最大限受けることができます。
クレジットカードには、いろんな保険がついている
クレジットカードに主に付帯しているのは、海外旅行傷害保険、国内旅行傷害保険、盗難・紛失保険、ショッピング保険の4つ。ほかにも、クレジットカードによっては海外旅行の際のフライトの渡航便遅延保険や、シートベルト保険、などいうものもあります。
旅行をよくする方であれば、「海外旅行傷害保険」、「国内旅行傷害保険」はクレジットカードを選ぶ際にぜひ参考にしたいところですよね。
ここでは、「海外旅行傷害保険」「国内旅行傷害保険」「盗難・紛失保険」「ショッピング保険」それぞれについて、それぞれ説明していきます。
海外旅行傷害保険とは?
海外旅行傷害保険のついたクレジットカードの選び方
ひとたび海外へ出ると、私たちをとりまく状況は一変します。よくいわれるのが、海外のほうが医療費が高く、事故に遭ったり病気になった際、莫大な金額がかかってくること。ついつい補償の金額に目がいきがちですが、自分が訪れる土地の医療費と見合ったものなのか、どこに・どのくらい滞在するのかを考慮しながら、補償額や補償内容を選ぶべきだといえます。
友人の例ですが、北米の島でファームステイ体験をしていたとき、仕事中に作業場から転落。
骨盤を骨折し、およそ1週間入院しました。
小さい島だった為病院はなく、ヘリコプターで近隣にある一番近い病院まで運ばれました。
総額、およそ200万円。海外旅行保険に入っていたため費用は全額カバーされ、本人が支払う必要はありませんでした。
こんなまさかの事態。もし保険に加入していなければ、骨折にプラス200万円の支払いと、まさに泣きっ面に蜂状態といえます。
クレジットカードについている旅行保険は、日本ではまだあまり知られておらず、旅行代理店の窓口などで海外旅行や航空券を予約した際にセット購入で保険を進められることも多いため、クレジットカードに海外旅行保険が付帯していても、それとは別に海外旅行保険に入る方が多いようです。
インターネット上では、クレジットカード保険について調べてみると、付帯している保険だけでは不安なので別で保険に入るべきという意見も、クレジットカードついている保険で十分だという意見も両者見られます。果たして、どちらが正しいのでしょうか。
答えは「それぞれの保険がカバーできる内容を理解・納得したうえで選択すれば、どちらでもよい」です。
クレジットカードの海外旅行保険の主な内容
①傷害死亡・後遺障害 | 事故で死亡したとき、後遺症が残ったときが対象となります。 |
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②傷害・疾病治療費用 | ケガ・病気の治療費を補償してくれます。 |
③賠償責任 | 他人のものを壊してしまった際の費用を補償します。 |
④携行品損害 | 自分の持ち物を盗まれたり、壊されたときの費用を補償します。 |
⑤救援者費用 | 事故や遭難した際のヘリコプターなどの運搬費用・救助費用、親族やその代理人が現地まで来るあ際の費用を補償します。 |
これらの場合、必要に応じて、クレジットカードの海外旅行保険が補償されます。
「傷害死亡・後遺障害」補償額に目がいきがちだが、細部のチェックを忘れずに
クレジットカードの旅行保険の宣伝方法として、「最大○円補償」とうたっているものをよく見かけると思います。そこにつられて申し込んでみたら、よくよく読んでみると、実際に補償されるのは傷害死亡・後遺障害のみだった…というクレジットカードもあります(各航空会社が発行しているクレジットカード)。
海外旅行によくいかれる方ならご存知だと思いますが、もちろん傷害死亡・後遺障害の補償があることは心強いですが、実際に海外に滞在していると、傷害・疾病治療費用や携行品損害の補償があるもののほうが、頻度や可能性としてあり得る話です。
実際、海外旅行保険に申し込む際に「死ぬかもしれないから保険に入っておこう」と思うよりは「もしも向こうで病気になったら困るから」、「何かものを紛失したときのために」という感覚で加入される方のほうが多いのではないでしょうか。
なので、①から⑤のひとつひとつの補償額を丁寧に確認し、果たして自分の求めている保険に合ったものかどうか判断することをお薦めします。
国内旅行傷害保険とは?
死亡あるいは後遺障害、入院した場合の入院費、通院した場合の通院費、手術した場合の手術費が補償されます(※旅行すべてに適応されるわけではなく、補償される・補償されないに関しては細かい条件が設定されています)。
海外旅行の場合は、もしもに備えて保険に加入して渡航される方がほとんどですが、国内旅行の前に保険に加入していく、というのはみなさんあまりしないと思います。
しかし、クレジットカードに付帯している国内旅行傷害保険がもしものときにサポートしてくれる可能性がありますので、知っておいて損はないでしょう。
付帯保険には「自動付帯」と「利用付帯」のに2種類がある
実はこの付帯保険、クレジットカードを持っているだけでその保険が適応される「自動付帯」と、そのクレジットカードを利用して旅行の代金を支払った際にだけ保険が適用される「利用付帯」があります。
せっかく付帯保険のあるクレジットカードを所有しているのに、別のクレジットカードや現金で支払いをしてしまい保険が補償されるチャンスを失ってしまった、なんてことのないようにしたいですね。
海外旅行保険の場合、「利用付帯」の補償を有効にしたいのであれば、自宅を出発してから日本を出国するまでの公共交通機関をカード払いにするか、ツアー代金自体をカード払いにする必要があります。
その他クレジットカードの付帯保険
盗難・紛失保険
ほとんどのクレジットカードに付帯している保険で、クレジットカードを紛失してしまった際や、誰かに盗まれて不正利用されてしまった際に、発生した損害カバーしてくれる保険です。
カードの盗難・紛失で不正利用に遭った場合、届出日からさかのぼって不正利用された金額を補償(通常60日程度)。たいていのカードにはこの保険が付帯されている。
ショッピング保険
クレジットカードで購入したものが、購入日から規定の期間内(通常90日程度)に不慮の事故などで損害に遭った場合に適用される。3000円から1万円ぐらいの自己負担(免責)設定あり。
ほかにもある、さまざまな保険
ロードサービス
パンクやガス欠など、自動車のトラブルに24時間、365日対応。エネオスカード、E-NEXCO、ゴールドーカードなどに付帯(一部除外あり)。
シートベルト保険
日本国内でシートベルト着用中に交通事故に遭い、死亡、あるいは重度の後遺障害を被った場合に補償される。オリコカードに付帯されている。
渡航便遅延保険
航空便の遅延、あるいは航空便に預けた荷物の遅延などによって負担したホテル代・衣料代を補償。MUFGカードに付帯している(一部除外あり)。